2020年07月30日

ムカシ×ムカシ(森博嗣)

死ぬのは、本当に簡単なことなのだ。少なくとも生きることに比べたら、短い決意とほんのちょっとの勇気で実現する。 (p214)
 真実をすべて無にする以外に、元へ戻すことはできない。
 だから……。 (p253)

 Xシリーズ第4作。東京近郊に広大な土地を持つ旧家で起きる連続殺人。事件が起きても推理で解決しない、まさに森ミステリな一作です。ほかの作品とのブリッジ的な役割を感じるシリーズらしく、作中の椙田のセリフにWシリーズとの、エピローグでは、あの天才とのうっすらな繋がりも語られております。


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2020年07月23日

海の見える理髪店(荻原浩)

時計が刻む時間はひとつじゃない。この世にはいろいろな別々の時間があるってね。 (p203)
 (時のない時計)

 「海の見える理髪店」「いつか来た道」「遠くから来た手紙」「空は今日もスカイ」「時のない時計」「成人式」の6篇収録の短篇集。いずれの話も、人生に訪れる喪失、あの時に戻れたらという後悔、そして未来に踏み出すささやかな希望が描かれた家族の物語。ベテラン作家の安定性を感じた一冊でした。第155回直木賞受賞作。

海の見える理髪店

海の見える理髪店

  • 作者:荻原 浩
  • 出版社:集英社
  • 発売日: 2019年05月17日頃
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2020年07月18日

異人館画廊 失われた絵と学園の秘密 (谷瑞恵)

 むかつくのも、惹かれている証拠だよ。本当にかかわりたくない人には、無関心になるものだろう? (p173)
 たったひとつの、小さな出来事がきっかけになって未来が変わるのは、図像術に限らない。けれど、どうしてそんな些細なことが大きく将来を変えてしまうのか、答えられる人はいないだろう。 (p209)

 「図像学(イコノグラフィー)」を扱う“美術ミステリ”の第5弾。鈴蘭学園美術部で起きた、図像術とのにつながりが感じられる事件に千景が潜入調査を決行する青春学園テイストな一作。終盤には千景が記憶を失った事件に触れる記述も増え、次巻への期待も高まりました。

異人館画廊 失われた絵と学園の秘密

異人館画廊 失われた絵と学園の秘密

  • 作者:谷 瑞恵/詩縞 つぐこ
  • 出版社:集英社
  • 発売日: 2017年12月14日頃

ラベル:谷瑞恵
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