2017年04月05日

【訃報】詩人の大岡信さん死去


 詩人で文化勲章受章者の大岡信(おおおか・まこと)さんが、2017年4月5日、誤嚥性肺炎による呼吸不全のため静岡県三島市の病院で死去した。86歳。1931年静岡県三島町生まれ。父は歌人の大岡博。

 旧制沼津中学時代から詩の創作を始め、旧制一高を経て東京大学文学部国文学科在学中の1951年に、日野啓三らと同人誌「現代文学」を創刊。52年、雑誌「赤門文学」に発表した評論が中村真一郎の推奨で注目を集めた。
 卒業後は読売新聞社に入社し、外報部勤務のかたわら詩作を続け、154年に川崎洋や茨木のり子らの詩誌「櫂」に参加。55年に「現代詩試論」を刊行し、批評家として頭角を現す一方、56年に第一詩集「記憶と現在」を刊行。
 56年に飯島耕一らと「シュルレアリスム研究会」を結成、59年には清岡卓行、吉岡実らを加えて詩誌「鰐」を創刊。
 63年に新聞社を退社後は、明治大や東京芸術大で教壇に立つかたわら、幅広い創作活動を展開した。

 詩集に、「春 少女に」(1972年読売文学賞)「故郷の水へのメッセージ」(89年現代詩花椿賞)「地上楽園の午後」(93年詩歌文学館賞)など。
 評論集に「蕩児の家系」(1969年藤村記念歴程賞)、「紀貫之」(72年読売文学賞)、「詩人・菅原道真」(90年芸術選奨文部大臣賞)など。

 79年1月から朝日新聞で連載したコラム「折々のうた」は、休載をはさみながら2007年3月まで計6762回続いた人気コラムに。詩歌の魅力を広く読者に伝えた業績で1980年には菊池寛賞を受賞した。
 また、連歌や連句の伝統を踏まえながら詩を共同制作する「連詩」の創始し、海外の詩人らと長期にわたって共同創作を続け、欧米などで「Renshi」の言葉を広めた。

 日本現代詩人会会長、日本ペンクラブ会長を歴任し、1995年から日本芸術院会員。97年文化功労者、2003年文化勲章、04年には仏レジオン・ドヌール勲章オフィシエを受賞。

 妻は劇作家の深瀬サキ(本名・大岡かね子)さん。長男は東京経済大教授で芥川賞作家の大岡玲さん。

ラベル:大岡信
posted by 千木良 at 21:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 如是我聞 | 更新情報をチェックする
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