2017年04月08日

鬼平犯科帳 決定版 一(池波正太郎)


女という生きものには、過去もなく、さらに将来もなく、ただ一つ、現在のわが身があるのみ (p101)

あの色っぽいからだへ、男のにおいがしみつくごとに、あの女は得体の知れぬ生きものとなってゆくのさ。いや、どんな女にも、そうしたものが隠されているらしいが…… (p315)

獣には人間のことばが通じねえわさ。刈りとるよりほかに仕方はあるまい (p353)

 巻末の解説が“J・J”植草甚一さん。最初の文庫化がおいらの生まれ年という名作時代小説。誕生50周年に刊行される決定版ということで購読。
 当世なら、ついつい人情ものになりがちな物語の仕舞も、悪人の最後は非情なものという書かれ方をしているあたり、ニヒルなカタルシスを感じました。また全体に艶っぽい作品で、オヤジ向けなのかもしれませんね。映像化作品は一切見ていないので、まったくの初見で次巻以降も愉しみたいと思います。



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