2018年03月18日

遺跡発掘師は笑わない 元寇船の紡ぐ夢(桑原水菜)


人間は自分がやられたことばかり訴えたがり、害を加えたほうであることには目をつぶりたがる。非のない被害者は『正しい』存在であり、その『正しさ』に対して誰にも何も侵害できない。 …―… そして、第三者がその『正しさ』に乗っかろうとする時、ひとは『正しさ』の魔力に取り込まれている。叩いてもいい物事に飛びつくのは、それに酔えるからだ。当事者の苦しみとは別のところで、だれにも文句がつけられない『正しさ』に乗っかって『絶対安全』なところから他人を非難しはじめる (p76)

神風が吹いたなどと言って喜んだとは、戦場からはほど遠い京や鎌倉の人間だった。血を流して戦った当事者ではなかと。それと全く同じ感覚が、戦時中の特攻の悲劇ば生んだ (p252)

今の人間にできるのは、遺されたものから推しはかることだけだ。 (p256)

 若き天才発掘師・西原無量を主人公とするシリーズ7冊目は「元寇船の眠る海」の後編。萌絵、絶体絶命から始まる今巻は、エンディングまで怒涛の一気読み。一方で、水中発掘の専門的描写の少なさには飢えました。


ラベル:桑原水菜
posted by 千木良 at 23:00| Comment(0) | 読書記録|93日本文学小説・物語 | 更新情報をチェックする
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