2020年09月12日

カレーライス 教室で出会った重松清(重松清)

「教室で出会った○○」を大切にしてほしい。愛おしんでほしい。教室で出会った友だち。教室で出会ったライバル。教室で出会った寂しさ。教室で出会った歓び。教室で出会った悔しさ。その他もろもろ。すべてが、きみたちをかたちづくるものであってほしい。 (p276)

 国語の教科書に採用された「カレーライス」「あいつの年賀状」「バスに乗って」「卒業ホームラン」を軸に、試験に出題されている他のお話を組み合わせて構成した9篇収録のオリジナル短篇集。
 上手なのだが、いまいち琴線には触れず、もどかしい読後感でした。底本で読むべきなのかな。
 収録作と所収は、「カレーライス」/文藝春秋『はじめての文学 重松清』、「千代に八千代に」/中公文庫『リビング』、「ドロップスは神さまの涙」/新潮文庫『せんせい。』、但し、本書収録が決定稿、「あいつの年賀状」/文藝春秋『はじめての文学 重松清』、「北風ぴゅうた太」/新潮文庫『きよしこ』、「もうひとつのゲルマ」/「小説新潮」2002年2月号掲載の「ゲルマ」改稿改題、「にゃんこの目」/新潮文庫『きみの友だち』、「バスに乗って」/文春文庫『小学五年生』、「卒業ホームラン」/新潮文庫『日曜日の夕刊』。

カレーライス

カレーライス

  • 作者:重松 清
  • 出版社:新潮社
  • 発売日: 2020年06月24日頃

【関連作品紹介】
ラベル:重松清
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2020年08月17日

5分後に意外な結末 ベスト・セレクション 黒の巻(桃戸ハル)

運命は、その人間のものだ (p26)
(天使嫌い)

 シリーズ累計300万部突破の人気シリーズのベスト集。20本のショート・ショートは、オリジナルのほか、サキ「無口なアン夫人」や太宰治「駆け込み訴え」を原作とする翻案作品も収録。桃戸ハルさん編著による書き下ろしの超ショート・ショート19本も加えた新ヴァージョンとのこと。
 印象に残ったのは、越智屋ノマさん「天使嫌い」、おかのきんやさん・桃戸ハルさん翻案の「息子の親友」、おかのきんやさん・桃戸ハルさん・橘つばささん「愛の言葉」。



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2020年08月11日

まほろ駅前多田便利軒(三浦しをん)

「その人間の本質って、たいがい第一印象どおりのものでしょう。親しくなったら、そのぶん相手をよく知ることができる、というわけでもない。ひとは、言葉や態度でいくらでも自分を装う生き物だからね」 (p48)
「だれかに必要とされるってことは、だれかの希望になるってことだ」 (p105)
「いくら期待しても、おまえの親が、おまえの望む形で愛してくれることはないだろう」
 …―… 
「だけど、まだだれかを愛するチャンスはある。与えられなかったものを、今度はちゃんと望んだ形で、あまえは新しくだれかに与えることができるんだ。そのチャンスは残されてる」 (p163)
愛情というのは与えるものではなく、愛したいと感じる気持ちを、相手からもらうことをいうのだ (p196)
不幸だけど満足ってことはあっても、後悔しながら幸福だということはないと思う。 (p288)

 東京のはずれ「まほろ市」を舞台に。まほろ駅前で便利屋を営む多田と、そこに転がり込んだ同級生・行天の二人が関わる依頼にみえる様々な人間関係を軽やかに、でもテーマは重めかな。印象的な言葉がちりばめられた作品でした。映画は見てないが、瑛太さんと松田龍平さんで脳内再生されていました、テレコだったけど。第135回直木賞受賞作。


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