2020年02月23日

冬空トランス(長沢樹)

優しくできたのは、他人事だったから―― (p84)
 (冬空トランク)
たったひとつの事実は、無数の〝真実〟〝見解〟〝推測〟の中に埋もれてしまう。 (p410)
 (わがままなボーナストラック)
 樋口真由〝消失〟シリーズ第3弾。「モザイクとフェリスウィール」「冬空トランス」「夏風邪とキス以上のこと」「わがままなボーナストラック」の4篇収録の中短篇集。ミステリよりも青春の度合いが強いかな。作中で語られているように、真由の高校時代の事件としては完結作だろう。時系列では前後しますが、愉しむには刊行順に読んでもらいたいシリーズです。

冬空トランス

冬空トランス

  • 作者:長沢 樹
  • 出版社:KADOKAWA
  • 発売日: 2016年10月25日

【関連作品紹介】
posted by 千木良 at 23:00| Comment(0) | 読書記録|93日本文学小説・物語 | 更新情報をチェックする

2020年02月16日

ホーンテッド・キャンパス 幽霊たちとチョコレート(櫛木理宇)

人が人を好きになるのは理屈ではない。条件もない。ただその運命的な瞬間が、訪れるか否かだけなのだ。 (p124)
 (彼女の彼)
思いだしたくないなら、忘れたままでいい。記憶なんかなくたって、人は生きていける (p236)
 (鏡の中の)
 雪越大学オカルト研究会を舞台にした、青春オカルトミステリ第2弾。前作よりもホラーとミステリの要素が増えてきた感じですが、まだまだライトな読み応えです。「シネマジェニック」「彼女の彼」「幽霊の多い居酒屋」「鏡の中の」「人形花嫁」の5話収録の短篇集。




【関連作品紹介】
ラベル:櫛木理宇
posted by 千木良 at 23:00| Comment(0) | 読書記録|93日本文学小説・物語 | 更新情報をチェックする

2020年02月15日

水底の棘 法医昆虫学捜査官(川瀬七緒)

マスコミはすぐに若者を離れさせたがるんですよ。マイホーム離れ、結婚離れ、外食離れ、正社員離れ、恋愛離れ。じゃあ彼らは何に近づいてるんだって話になりますけど (p80)
人間は虫がいなければ生きられないんですよ。彼らが担っている役割りは、わたしたちの生に直結している。法医学者が蚊帳の外に置かれているとすれば、それは人が万能だという驕りの表れです (p178)
自分が思う限界点は限界じゃない。余裕で越えられるハードルを置いて、無意識に保険をかけてるだけなんだよ。 (p338)
 法医昆虫学捜査官シリーズ第3弾は、純粋なフェアダニット。警察の地道な捜査と、赤堀先生の調査研究が最終的に一点に収束していく過程のスリリングさで、一気読みでした。ハエの孵化と塩分濃度など、今回もムシの蘊蓄が豊富です。


【関連作品紹介】
posted by 千木良 at 23:00| Comment(0) | 読書記録|93日本文学小説・物語 | 更新情報をチェックする